札幌は朝から雨。
髪の毛が湿気で広がってしまう私たち親子にとっては厄介な天気です…。
四季を有し、一年中雨の降る日本に住む私たちにとって雨は常に身近なものでした。
この雨の語源には「天(あめ)=雨」説と、「天水(あまみず)が縮まって雨となった」説があります。いずれにせよ、「天」または「天から降るもの」が由来になっているということですね。
農耕民族であった私たちの祖先にとって、雨は農作物の出来に大きな影響を与える「天からの恵み」でもありました。そうして雨と共に生きるうちに、季節や時間・降り方によって様々な種類があるのだと言うことに気付いたのでしょう。それぞれを区別するべく、雨に名前を付けて呼ぶようになりました。現在、気象庁で用いられている雨用語はおよそ50語とのことですが、今ではほとんど使われなくなった表現を含めると、なんと400近くあるそうです。日本人の豊かな感性と繊細な観察力がうかがえます。
雨降りの今日は、雨の名称をいくつかご紹介したいと思います。言葉は使わないとどんどん廃れていきます。心に響いたものがあれば、皆様もぜひ会話の中に使ってみてくださいね。
★七つ下がりの雨(ななつさがりのあめ)
夕方の4時過ぎに降り出す雨
★狐の嫁入り(きつねのよめいり)
晴れているのに降る雨・天気雨
★遣らずの雨(やらずのあめ)
客人が帰るのを引き止めるかのように降り出す雨
★宿雨(しゅくう)
前日の夜から降り続く雨。連日のように降り続く雨
★袖笠雨(そでがさあめ)
袖を笠(かさ)にしてしのげる程の小雨
★篠突く雨(しのつくあめ)
「篠竹」の竹林のように強く細かく降る雨
★糸雨(しう)
糸のような細い雨・霧雨
★滝落としの雨(たきおとし)
大量に降る雨・大雨・豪雨
★鬼雨(きう)
鬼のしわざかと思えるほどの並外れた大雨・ゲリラ豪雨
★ひそか雨(ひそかあめ)
春先にしとしとと降る細かな雨
★紅雨(こうう)
春の季節、花に降りそそぐように降る雨
★花時雨(はなしぐれ)
桜の咲く頃に降るにわか雨
★緑雨(りょくう)
新緑の季節に降る雨
★涼雨(りょうう)
涼し気に降る夏の雨
★洗車雨(せんしゃう)
七夕の前日に降る雨(彦星が織姫とデートする牛車を洗うための雨)
★月時雨(つきしぐれ)
月明かりの夜に降る通り雨
★鬼洗いの雨(おにあらい)
大晦日に降る雨
★雪解雨(ゆきげあめ)
雪を解かすように降る春先の雨