塾長ブログ

役不足かもしれませんが。

先月、ある営業マンと話した時のこと。
彼は帰り際にこう言いました。
「広告のことなら何でも声を掛けてください。私では役不足なこともあると思いますが、精一杯頑張らせて頂きますので!」

これ、「役不足」という言葉の使い方が間違えています。どこが違うかおわかりになりますか?

役不足」とは、「その人の力量と比べて、与えられた仕事が軽いこと、もの足りないこと」という意味です。
具体的にはこう使います。

「あなたにこんな簡単な仕事は役不足かもしれないけれど、引き受けてくれるかい?」

その人間の技量に対して、「役(仕事)」の質が「不足」している、という言葉です。

でも、多くの人は前述の営業マンのように、「私なんかではとても務まらないかもしれませんが…」というニュアンスで使っていますよね。
つまり、
「役(仕事)」に対して、その人間の技量が不足している、という意味合いです。
しかし、この使い方は本来誤用とされています。

簡単に言うと、「役不足」という言葉は普通、「自分」の動作には使いません。
「私には役不足ですが…」と言うと、
『私の力から考えると、その仕事は簡単すぎて物足りないけれど受けてやる』的な意味合いになります。
傲慢な感じでしょ?(笑)

相手に対し、
「あなたにとっては役不足ですが、それでもお願いできますか?」と使うのが正解ということです。

なるべく正しい言葉を使いましょう!

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