今日は、「古文」のお勉強をしましょう。
「うげ~っ」と言わずに最後までお付き合いくださいね(笑)。
①私は笑った。
②ハワイで雪が降った(…とニュースで言っていた)。
③桜が咲いた。
それぞれを古文で書くと次のようになります。
①我、笑ひき。
②ハワイにて雪の降りけり。
③桜咲きたり。
現代語で書くと文末は全て「…た」なのに、古文にするとそれぞれ異なりますよね。
昔はこの「…た」も使い分けていたのです。
直接自分が経験した過去の事がらを表わす時→「き」という助動詞
人から聞いた過去の事がらを表わす時→「けり」という助動詞
その状態が現在まで続いている時→「たり」という助動詞
もう一度例文を見てみましょう。
①の主語は「私は」です。当然、笑ったのは「私」なので、「直接体験の過去」を表わす「き」を使います。
②はニュースで聞いた情報であって、書き手が直接自分が経験した過去ではありません。よって「けり」を使います。
③の「桜が咲いた」に関しては、たぶん「今でも咲いている」状態であり、一瞬だけ咲いてすぐに閉じてしまったわけではありません。なので、「たり」を使います。
ちなみに、あとに続く言葉によってこれらの助動詞は形を変えます(それを「活用変化」と言います)。
例えば次のように。
●き→笑ひき/笑ひし人/笑ひしかども…
●けり→咲きけり/咲きける花/咲きけれども…
●たり→降りたり/降りたる雪/降りたれども…
「けり」「たり」は現代ではもう使われていませんね。
でも、「き」に関しては、連体形の「し」という形で今でも残っています。
・過ぎ去りし日々(過ぎ去った日々)
・若かりしころ(若かったころ)…などなど。
唱歌「ふるさと」の歌い出し、「兎追いし かの山…」の「し」もそうですね。
「ウサギ、美味しい…」と勘違いしていた人がいる、という笑い話もありました
いきものがかりの「SAKURA」の歌詞にも「し」を発見!
さくらひらひら 舞い降りて落ちて 揺れる 想いのたけを 抱きしめた
君と 春に願いし あの夢は 今も見えているよ さくら舞い散る
繰り返しますが、「願いし」の「し」の終止形は「き」。
直接経験した過去を表わす助動詞です。
「君と春に願いし あの夢は 今も見えているよ」の部分を古文風に解釈すると、
「君と私で春に願ったあの夢。…今でも見えているよ。」
なんてところでしょうか。
今回の「き」「けり」…のような「助動詞」は生徒がとても苦手意識を持つ単元です。
確かに、参考書の文字づらだけで覚えようとしたらイヤにもなると思います。
でも、1つ1つ、「色」をつけて丁寧に理解していけば、何も怖いことはありません
みんな、頑張ろうね~