筋ジストロフィーという難病のため、15歳で星になった少年がいます。
北原敏直さん。
彼の詩集「星への手紙」から、二編の詩をご紹介させていただきます。
…最近、母の死に直面したせいか、胸が苦しくなるほど共感してしまいました。
「きにしないこと」
きにしないこと
空の雲のように
どこに流されようと
草花のように
たとえ一年の命でも
「わけてあげよう」
よろこびを感じたら
ほかの人にも
わけてあげよう
人生なんて 短いから
自分なんて 点のようだから
一人でも多く
よろこばしてあげよう
ちりのような
もっともっと
空気の分子のような
小さなよろこびを
一人一人に
わけてあげよう
ああ早くしないと
人生がつきてしまう
点のような自分が
けしゴムで消すように
きえてしまう
今感じている よろこびも
むだには できない