明治時代の歌人である尾崎放哉(おざき ほうさい)。季語を含まず、定型に縛られない自由律俳句の詠み手としては種田山頭火と並ぶ人物です。高校生は文学史にも登場するので、名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
大学時代、山頭火と放哉について学んだのもあり、私はこのお2人にはかなりの親近感を抱いています(勝手に)。
当時は大真面目に勉強していたのですが、今振り返ってみると、くすっと笑ってしまうものから、お腹を抱えて笑ってしまうものまで、面白い歌が沢山あります。歌が詠まれた背景を知ることで、さらに理解を助けるものなのですが、特に詳しくない人が詠むと「これはギャグなの?」と感じてしまうのだろうなと思います。
中学校の国語の教科書に掲載されているのが、これです。
□咳をしても一人
他にも、
□あらしがすつかり青空にしてしまった
□うそをついたやうな昼の月がある
などなど。
作品のテーマにあるものは「無常感」であることが多く、同じ自由律俳句の詠み手でも、山頭火は「動の俳人」、放哉は「静の俳人」と称されました。晩年は特に、心の平安を求めて魂を流浪させるような歌が多かったと記憶しています。
こんなサイトを見つけたので、尾崎放哉をご存知ない方はぜひ独特な世界観を覗いてみてください。この方の突っ込みが可笑しくて、ついつい笑ってしまいました。