10月に入りました。
コロナ禍で世界中が未曾有の事態に直面した2020年も、残すところあと3ヶ月です。
ところで…。
突然ですが、この「3ヶ月」の「ヶ」。
この「ヶ」が表記として用いられるようになったのは鎌倉時代あたりからだと言われています。
この「ヶ」はもともと「箇」であり、竹冠(たけかんむり)の片方だけを省略して書いたものです。箇は画数も多くて書くのが大変だったのでしょう。
◯箇月→◯ヶ月
と、省略して書くようになりました。
印刷技術がなかった時代は、書物などを必死に書き写していました。何度も何度も繰り返し出てくる言葉は面倒なので省略したくもなりますよね。その気持ち、よーくわかります。
「菩薩(ぼさつ)」などの文字も省略形があります。この漢字も画数が多いですよね。写経にも頻出しそうです。
「菩薩」はこんな感じで省略されました。
それぞれの草冠だけを上下に重ねて「菩薩」と読ませるという荒業…。
この「菩薩」の省略形。写経などでよくこの文字を書く僧侶中心に用いられたようですが、一般人には浸透しないままでした。
しかし、この「ヶ」は時代の流れに消え失せることなく、800年以上経った今でも残っている略字なのです。
よほど便利だったのでしょうね(笑)。