午前中は会社の顧問をしていただいている会計事務所へ。前年度の決算手続きがほぼ終わり、一安心です。毎年のことながら、労力が要りますよね。前年度から経理全般をダンナに任せているのですが、ここ1ヶ月は特に大変そうでした。
さて、お昼からは、北海道立文学館へ「せなけいこ展」を観覧に行ってきました。
せなけいこ先生は、「いやだいやだ」や「おばけのてんぷら」「あーんあん」、「ルルちゃんのくつした」などの作品で知られる絵本作家。印象的なせな先生の絵本は、絵の具ではなく切り絵によって制作されています。
子どもはこういうものだという決め付けや、
こうでなくてはならないという理想主義など
大人の立場からの絵本ではなく、あくまでも「子ども目線」の絵本を描きたい。
そんな筆者の思いが伝わってくる展示ばかりでした。
せな先生の作品に、「ねないこだれだ」という絵本があります。これについて、先生ご自身が解説しているサイトを見つけたので、ご紹介しますね。長文ですが、せなけいこ作品の世界観が理解できる内容になっています。
私のデビュー作のひとつでもあり、親子3代にわたって読んでいただいている本があります。それが『ねないこだれだ』です。最後には、遅くまで起きていた女の子がおばけになって、おばけの世界につれていかれてしまいます。
この本はよく、しつけのための本と間違われるのですが、そんなつもりで書いたのではありません。しつけの本だったら、子どもはこんなに好きになってくれるはずがありません。子どもは敏感ですからね。そういったことはすぐにわかってしまうんです。
絵本の最後に、夜なかなか寝ない子どもがおばけに連れられて飛んでいくというシーンがあります。大人はこれを「早く寝ないといけない」という、しつけのメッセージだと思うかもしれません。
でも違うんです。だって、おばけの世界へなら、子どもはきっと飛んでいってみたいでしょ? わたしだって、そうなのだから。実際に、私の娘などは「いいよ、とんでいくよ」といっていました。
私の本にでてくるおばけは、子どもを脅すおばけではないんです。ましてや誰かが死んで、化けて出てくるのでもない。おばけは、おばけの世界で自由気ままに生きている。そして、子どもはそのことを知っているのです。だからちょっぴり怖くても、やっぱりおばけが好きで仕方ないんです。しつけをしたり、脅したりするおばけだったら、子どもが好きになるはずないじゃないですか。
大人になると、自分もおばけの世界をのぞいていたことなどすっかり忘れてしまって、しつけとしておばけの本を読んだりしてしまう。でも、しつけのために絵本を読まれて、子どもは楽しいでしょうか? 絵本は、大人のためのものではないんです。もちろん一緒に楽しめたほうがいいけれど、絵本はあくまで子どものものですから。
私は子どもの世界をずっと描いてきました。だから、お父さんやお母さんにも、「子どもの世界ってどうなのだろう」と創造力を働かせて、絵本を選んでいただけたらと思うのです。大人には意味がわからなくても、子どもが夢中になっている本があると思います。それはもしかすると、子どもの世界だけが描かれているからかもしれません。
確かに長いあいだ読み聞かせをしてきましたが、この本を読んで「怖い!!」と泣き出す子はいなかったかも。
改めてせな先生のファンになってしまいました。グッズ売り場で絵本や絵はがきなどを沢山買ってしまった。
文学館で7月26日(日)まで開催されています。完全予約制なので、興味のあるかたはまず同館のホームページをチェックしてみてくださいね。