今日は、私の好きな和歌を紹介します。
恋の歌です。
物思へば 沢の蛍も 我が身より あくがれいづる 魂(たま)かとぞ見る(和泉式部)
現代語訳:
あなたのことが好きになりすぎて辛いです。
はかない光を放ちながら飛ぶ 沢の蛍…。
もしかしたらあれは蛍ではなくて、あなたに会いたいあまりに体からさまよい出た私の魂なのではないか…。
苦しいくらいの恋をしている私にはそう思えるのです。
恋多き女性・和泉式部さんらしい歌ですね。
「あくがれいづる」 の「あくがれ」の 終止形 は「あくがる」。
「あくがる」とは、「魂がふらふらさまよい出る」
というのがもともとの意味です。(→これが現代語の『憧れ』へと変化しました)
魂がさまよい出るほどの恋。
なんだかいいなぁ(ちょっとオカルトっぽいけど)。
憧れに近い恋でも、
尊敬からくる恋でも。
つらい恋でも、
ハッピーな恋でも…。
恋は、「暗きを照らす炎」「成長の火種」なのだと思います
ちなみに私は仕事で疲れると、「あくがれ出」た魂がスーパーのお菓子売り場をふらつきます