塾長ブログ

「テストの点数=真の国語力」ではありません。

「国語力」と「問題を解く力」はきれいに比例しません。

日頃から本を何冊も読み、内容も十分に理解できる生徒なのに、学力テストでは点数が取れない。

また、会話力もあるほうで、人の気持ちを汲むことにも長けている。

それなのに、これまたテストになるとてんでダメ。

…そんな生徒を山ほど見てきました。


これは、現在の国語テストにも問題があると私は考えています。

指示語や空欄補充、内容把握に心情説明…。

設問が多岐に渡っているのに加え、ひっかけ問題など重箱の隅をつつくような問題もある。

しかも、そんな問題を制限時間内で解かなければなりません。


真の国語力が備わっていれば、すばやく読めて、正確に解けるはずでしょ。

そんなことを言う人もいるかもしれません。

たしかに、「何を聞かれているのか」「どう論理的に答えたらよいのか」など、国語の要素も多分にあります。

だけど、本来の国語力というのは、いわば「コミュニケーション力」であるべきです。

相手の話(文章)を理解し、相手に自分の意見や感想をわかりやすく伝える力。

これが「国語力」の根幹にある大事な要素なのです。

そしてこれこそ、教育者が躍起になって伸ばしていくべき力なのではないかと思うのです。


テストで点数を取るためには、特別なトレーニングが必要です。

「こう聞かれたら、こう答えろ」的な解法や、

時間内に文章を読みきるスピード…情報処理力などがその例です。

もしも、それらのテクニックばかりを磨いたらどうなるでしょう?

確かにテストで点数は取れるようになるかもしれません。

しかし、それは真の国語力とは異質の力です。

テストの点数が取れても、「話せない」「聴けない」「書けない」「読めない」という状態にもなりかねません。

くどいようですが、

「国語の点数がよい=真の国語力がある」とも、

「国語の点数が悪い=真の国語力がない」とも一概には言えないのです。


読む・聴く・話す・書く。

4つの力がバランスよく備わった、真の国語力を養うにはある程度時間がかかります。

でもしっかり身につけば、これほど強い力はありません。

国語力がある程度身についた段階で、ちょっとしたテクニックを覚えさえすれば、すぐにでもテストで点数を取れるようになります。

これは私自身、多くの生徒を教えてきた経験から自信を持って言えることです。

国語力がつけば、問題文の内容を理解することも、設問の意図を理解することも、出題者の望む答えを汲み取ることも難なくできるようにもなります。そこに改めて解法テクニックをプラスしたら怖いものはありません。


この逆、つまり「テクニック先行」でいくと、こうは上手くいきません。

すぐにどこかでボロが出てしまします。


なので、テストの結果に一喜一憂しないことです。

たしかに反省することはとても大事だし、必要でしょう。

でも、過剰に不安になったり、落ち込んだりすることに何の意味もありません。

落ち込む暇があったら、

本や新聞を読む習慣をつけて、「読む力」や「語彙力」をつける。

文章を書く練習をして「書く力」をつける。

日頃から耳を鍛えて、「聴く力」をつける。

言葉遣いや表現力を磨いて「話す力」をつける。


これら、「やるべきこと」を今この瞬間から始めること。

そして足を止めず、コツコツと続けることです。

残念ながら、国語力アップに近道はないのですから。


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