娘の小学校では「学習発表会」の練習が始まりました。札幌の小学校では11月の中旬から下旬にかけて学習発表会を行うところが多いようです。
1年生の娘たちの出し物は劇で、演目は「大きなかぶ」。ひかりは希望していたおばあさん役が決まって喜んでいました。1年生は個人の台詞がまだまだ少ない中、おばあさんは3つも1人台詞があるというのが立候補の決め手だったようです。
この「大きなかぶ」は元々ロシアの民話。これを再編集し、日本語訳したものが1966年に福音館書店から出版されました。一応、日本の子どもに向けた教訓としては、
「みんなで協力し合うことの大切さ」
「小さな力であっても価値があり、役立つ」
などが挙げられます。
そんなこと…と言っては語弊がありますが、教訓とか主題などを考えずとも、このお話には不思議な魅力があります。「大きなかぶ」は、子どもの頃に読んだ童話の中でも断トツで記憶に残るストーリーなのではないでしょうか。その理由の1つはきっと、印象深い作中の「掛け声」なのだと思うのです。
ロシア語を比較的忠実に翻訳した英訳バージョンでは、
They are pulling and pulling,
(みんなはかぶを)引っ張って、引っ張って、
となっていますが、翻訳家の内田莉莎子さんはこれを、
「うんとこしょ どっこいしょ」
と訳しました。「うんとこしょ どっこいしょ」と聞けば、誰しも「大きなかぶを引っ張っている様子」を思い浮かべてしまうほど、インパクトのあるフレーズです。このセンス、本当に素晴らしいと思います。
「うんとこしょ どっこいしょ」と口に出して味わうことがこの童話の醍醐味であり、大きな意義でもあると私は思っています。
…ところで、皆さんはこんな面白い噂をご存知ですか。「大きなかぶが抜けないのは、おじいさんが原因だった!」というものです。この挿し絵を見てください。多くの挿し絵がこのようになっていることから、都市伝説的に噂が広がったようです。
はい!おじいさんの足に注目~!
おじいさんの足がかぶの上に乗ってしまっています。物理学的にみるとこの状態で蕪は抜けないそうです。
挿し絵とストーリーは別物だとは思いますが、面白い発見ですよね。笑