生徒たちの作文を添削していて感じるのは「助詞」の使い方によって文全体の印象が変わるということ。
「て」や「と」を多用すると、話題が多すぎて内容が薄まります。主格である「は」と「が」も、使いどころを謝ると文意が弱まったり微妙に方向が変わったりします。
会話でも同じですよね。
「今日は可愛いね!」と
「今日も可愛いね!」だと意味合いが変わってきます。旦那様や彼氏から「今日は可愛いね」と言われると、嬉しい反面、
「今日は…って、今日だけ?いつもじゃないの?」と、どこか引っ掛かる女性もいるでしょう。
「私は坂本です。」と
「私が坂本です。」も違います。
前者は「坂本」という語が話題の中心であり、後者では「私」に重きが置かれています。
こういう助詞の使い方は、文法という単元で用法を学ぶだけで、具体的な使い方を詳しく指導されてきていないのではないかと思います。単語もそうですが、助詞も沢山文章を書いて、それを先生に添削してもらいながら正しい使い方を覚えていくのが習得への近道です。
幼稚園のクラスで一人一言ずつ発表しなくてはならないから、と言って娘のひかりが下書きをしていました。出されたタイトルは「冬休みの思い出」だそうです。見せてくれたのがこれ。
「最初は、『かぞくで たきのすずらんこうえんで すきーをしたことです』って書いたんだ。でも、『で』『で』って2回使ったらなんか変だと思ったから、『こうえんに』って変えたんだ。」と、ひかり。
それを聞いたダンナが娘をとても褒めていました。…そう。その「変だな」という感覚が大事なのです。違和感をそのままにせず、その正体をしっかり考えて直していく。その気づきと作業が文章力を向上させていきます。