響きが優美でやわらかい「大和言葉」がここ数年注目を集めています。
その大和言葉のルーツとも言えるのが古語。古典の学習にも出てくる言葉たちです。
現代では使われなくなった言葉の中にも、含蓄があって粋な古語が沢山あります。古典の授業などでは機械的に現代語訳をさせられますが、私なんかたまに、「この古語の意味はこの訳ではしっくり来ないんだよなあ」と思うことが多々あります。
例えば、「あはれなり」という古語。中学の国語の時間でも習う有名な言葉です。この「あはれなり」を「趣がある」と訳すのが定番の1つになっていますが、それにもどこか違和感を覚えてしまうのです。もちろん「趣がある」で間違えではありません。ないけれど、その訳ではどこか淡白な感じがするというか、軽い感じがするというか。上手く説明できない「なにかが違う」感があるのです。
判で押したような機械的な訳ではなく、用例などから、なるべく当時の意味に沿ったものを教えたい。長年私はそう考えてきました。
そこで今、厳選した古語において、その意味をイラストでなるべく忠実に表現した「古語のえほん」を制作しています。幼児から大学受験生、社会人まで幅広い層に読んでもらえる本にする予定です。出来上がったら、まずはみがく生の古典学習に活用できたらなと思っていますよ。
ちなみに、立案と内容は私が担当し、イラストはみがく生のNちゃんにお願いしています。Nちゃんは私に頼まれてただ描くだけではなく、自分なりに理解、消化し、「こんなのはどうか」と提案してくれる良きパートナーなのです。
Nちゃんは学業、私も激務の合間で作業を進めているので、スローペースではありますが、必ず作り上げたいと思っています。