百聞は一見に如かず
人から伝え聞いた百のことも、自身で見た一事にはかなわない。つまり、人から何度も聞くよりも、自分自身で見るほうが確かであるという意味の言葉で、前漢の歴史を紀伝体で著した「漢書」の一節に登場するものです。
「百聞は一見に如かず」という言葉は有名ですよね。学校でも習います。ところで、この言葉には続きがあることをご存知でしょうか。続きと言ったら語弊がありますね。時代は定かではありませんが、後世の人たちがその続きを付け足しました。言葉や解釈はいくつもあるようですが、代表的なものをご紹介しますね。
百聞は一見に如かず
百見は一考に如かず
百考は一行に如かず
百行は一効に如かず
百効は一幸に如かず
百幸は一皇に如かず
百回他人から聞いたことよりも、自分で一回見たものにはかなわない。
百回見たことよりも、自分の頭で一回考えたことにはかなわない。
百回考えたことよりも、自分で一回行動してみたことにはかなわない。
百回行動しても、1つの成果にはかなわない。
百回成果をあげても、1つの幸福感にはかなわない。
自分だけの百の幸福感も、国民全体の1つの幸福感にはかなわない。
一考、一行、一効、一幸、一皇。
全て「いっこう」と読ませるあたり、なかなか面白いですよね。最後の「一皇に如かず」だけ、日本人の私たちにはなかなか理解しにくいものですが、他はさほど難しい内容ではないと思います。
私は文章を書くときや講演会などで話す時には、最初の3つだけを取り上げて話しています。後半の3つはどこか腑に落ちない感じもあるため、使っていません。
…う~ん。こう並べても、やはり「百聞は一見に如かず」の言葉パワーにはどれも及ばないなあ。二千年近くの時を超え、国を越えて現代に残った言葉には力があります。
世の中に洪水のように溢れている情報。
それらを鵜呑みにせずに、自分の目で実際に確かめてみることの大切さ。「頭でっかち」にならず、自身で経験することの意義。
今の時代だからこそ、教訓にすべき言葉だと思います。
…最近観たドラマの中でこの言葉が出てきたので、記事にしてみました😄