最近、「私も年をとったな」と痛感することが増えた。小さな文字が見えにくくなったし、体力も落ちたし、記憶力も落ちてきた。
講師(教師)は、「経験」でその力を判断されることが多い仕事の1つだ。講師歴1年と、20年では、後者の方がより信頼感を持たれるのは事実である。
なので私は20代の頃、わざと地味な服装とメイクで教壇に立っていた。「私、そんなに若くはないですアピール」をして、経験不足を隠そうとしたりして(笑)。保護者と面談することも多かったのだが、ほぼ全員 私より年上。
「まあ、先生。お若いのですね!」と言われるたびに、「こんなに若い先生にうちの子を任せて大丈夫かしら。経験はあるのかしら。」と言われているようで…。先生らしく見せるために、必要以上に堅苦しい物言いをしたり、小難しい言葉を使ったりと苦心したものだが、そのうち話し方を工夫して相手に安心感を与える術を身に付けていった。それと眼鏡。私は普段、眼鏡をしていない。視力は悪いが、裸眼でも文字を読まなければ支障ないのだ。それに、もともと眼鏡よりコンタクトレンズ派。講師らしさを演出するための小道具として眼鏡をかけ始め、今に至っている。
その今、講師歴が25年を超えた。
ほとんどのお母様が私より年下である。無理してベテラン講師感を出さなくてもよい年齢にもなった。
講師歴が長ければいいと言うわけではないが、経験はその人の財産。長い分、沢山の生徒と出会い、沢山の生徒と時間を共にし、沢山の生徒を教えてきた。自分なりに悩み、考え抜きながら指導を重ねてきた日々を私は誇りに思う。
あと何年、講師として経験を積み重ねられるだろう。講師の仕事は私の天職であり、楽しみであり、生き甲斐でもある。指導者としての情熱が消える日まで、生涯現役でいようと考えている。