昨日、買ったばかりの服を着た私。
「この服、どう?」とダンナに尋ねました。
その時の返答がこれ。
「いいね~!違和感無い!」
…これ、どう思いますか?
「違和感がない」って、褒め言葉に入るのですかね?
「違和感」というのは「しっくりこない・不自然」という意味です。違和感が無いのだから、不自然ではないのでしょう。だけど、
「この服はどうか?」という質問に対する返答として「違和感がないよ」と言われてもあまり嬉しくない自分がいます。不自然ではないけれど、「ギリギリセ~フ!」感を覚えるというか。
その他にもダンナはよく、
●悪くない
●全然マズくない
●すごくちゃんとしている
●普通に美味しいよ!
などという言葉も使います。
どれも褒め言葉として使っているのは伝わります。確かに伝わるのですが、いずれもどこかしっくりきません。私が言葉にうるさい国語の講師だから、というのも一因でしょうが…。
「悪くない」というのは、「良くない。だけど悪いという訳ではないよ」という意味の言葉だし、「ちゃんとしている」に至っては「いやいや!ちゃんとしているのは当たり前だよね?」と思ってしまいます。
上の言葉はどれも、手放しで人を褒める言葉ではありません。「○○(-)ではない」と否定型を使うと、悪い➡普通➡良いの基準で言えば、「普通」というニュアンスになります。
最近増えてきた「普通に○○(+)」という表現も、○○にどんなにプラスの言葉を使っても、「普通に」を語頭に置いたために「普通」評価の域を大きく出ては伝わりません。
ダンナに限らず、日本の男性は褒め下手だと言われています。褒めたつもりが相手をイラっとさせたり、機嫌を損ねたり。身に覚えがある方も結構多いのではないでしょうか。
本当に微妙な時を除き、相手を褒めたい気持ち100%で使う時には「マイナス語+ではない」のような否定型を使わないのが無難です。また、抽象的でボンヤリとした言葉をなるべく選ばないこともポイントかな。
上の言葉を褒め言葉に変えるとこんな感じです。
●悪くない➡すごくいい!
●全然マズくない➡美味しい!
●すごくちゃんとしている➡例:すごく可愛い/すごく意志が強い/すごくしっかりしている
●普通に美味しいよ!➡とても美味しいよ!
…多少オーバーでも、相手に曲解されたり嫌味に受け取られたりするぐらいなら、ストレートに伝わってくれるほうがずっと良いと思います。褒めたのに怒られる…という理不尽な状況も回避できますしね(笑)。
褒められて気分が悪くなる人はいません。言い回しに気を付けて上手く相手を褒めることは、コミュニケーションを円滑にするための一助となりますよ。