バカな奴は単純なことを複雑に考える。
普通の奴は複雑なことを複雑に考える。
賢い奴は複雑なことを単純に考える。
これは、京セラ創業者で日本航空取締役名誉会長である稲盛和夫氏の言葉です。
稲盛氏が言うように、複雑なことを単純に考えられる人は賢い人なのだと思います。単純化するためには、その要(かなめ)を的確に押さえて集約する思考力が必要です。
確かに賢くないとできません。
逆に、何でも難しく複雑な方向に考えてしまう人がいます。厳しい言い方ですが、「どうしたら実現できるか」よりも、「できない理由」を積み重ねて、やらない言い訳をしているようにしか感じないこともあります。
それともう1つ。経験上言えるのは、
「本当は複雑なのに、単純に考え過ぎる」人も決して賢い人だとは言えないということ。
仕事でも勉強でも、
「できます!」
「問題ありません!」
「勉強しています!」
ポジティブなのは良いことですが、何の迷いもなく即答されると、逆に不信感を抱いてしまう自分がいます。
学習指導を長年行っていますが、真摯に勉強に取り組んでいる生徒に限って、
「まだまだです」
「わからないことが沢山あります」
「自信がなくて…」
と言います。家庭教師時代に京大に合格した教え子がいましたが、彼女も同様でした。全国模試でA判定を出した際、「まだまだ油断ができる状況ではないです。」と話していたのを今でも覚えています。
私も現在、様々な分野を学んでいますが、勉強にしても仕事にしても、「これでいい」と満足できることなど何一つもありません。いつもどこか不安で、どこか自信がなくて。だからこそ、努力の手を緩めないのだと思うのです。
本当に賢い人はきっとこんな人です。
複雑なことと対峙した時、「これは大変だぞ」と十分に認識する。その上で熟考を重ねて達成に向けたプロセスを導き出す。そして自分(または他人)の現在の力量を考慮して明確化・単純化し、実現可能な道筋を作る。
あとはそれを実際に行動に移せる人ですね。
私も頑張ります。