今行っている創作文学習では、生徒が書き上げた作文を講師が校正し、それを改めて清書してもらっています。
先生方の悩みとして、「どこまで訂正するべきか」というものがあります。誤字脱字や、平仮名を漢字に直すことぐらいは当然行いますが、脈絡が不自然なものや表現がわかりにくい箇所にどこまで赤入れをするのか 迷いどころです。
あまり訂正し過ぎると、その文章が持つ個性が無くなりますしね。
ただ、この作文はプロが書いたものでもなければ、卒論などの修士課程を経て書かれた文章でもありません。国語を、作文を習いにみがくに来ている生徒が書いた作文なのです。
脈略が不自然ならそれを指摘し、主語などの言葉が不足していれば補い、もっとぴったりくる表現があれば教える。
生徒は自分の文章を客観的に訂正してもらい、知らなかった表現や言葉を覚える絶好のチャンスです。
たとえ最後には、担当した先生との合作のようになったとしても、文章力を上げるという大義が達成できたらよいと私は考えています。
私が1つの作文を校正すると、どんなに短いものでも30分はかかります。深く読みこみ、登場人物の動きを把握し、適切な校正をするためにはそれぐらいの時間を要してしまうのです。
もちろん、ストーリー自体を変えることはしません。話の筋は作品の心臓部分だからです。生徒が心をこめて書いた作品を、より伝わりやすい文章にすることだけを考えて校正しています。
…あと、約半分ぐらい。
魂を込めて赤を入れていきたいと思います。