父の趣味は雪掻き(除雪)です。
私は「人が通れるギリギリの除雪でいい」派なのですが、父は「完璧な除雪を目指す」派なのです。
変に気を回して私が雪掻きをすると、これ見よがしにもう一度、除雪し直されます。父にとって、私の除雪は二度手間であり、むしろ余計なことをしてくれるな、と言うことらしいのです。
除雪に関して、私の「これでいいだろう」は、父のそれとはまるで異なるので、それは到達点の違いであり、大きな溝でもあります…。
ワンシーズン契約で、うちの近所では毎週火曜に排雪業者がやって来て雪を持っていってくれます。
塀を傷付けるのを避けるため、排雪車は塀際の雪を持っていきません。結果、塀の周り数十㎝だけは雪が残ってしまいます。
完璧な排雪を目指す父は考えました。全部の雪を持って行ってもらう方策を。
それがこの形です。
こうして、我が家の前にはいつもこの小山が出来ているのでした。お隣の前の雪山(奥)を見てください。…わかりますかね?あんな感じに雪を積んでいたら、壁ギリギリまでは持ち去ってもらえない訳ですよ。
私としては、「春になれば雪は溶けるだろう。」と呑気に構えたいところですが、父にはそんな考えはありません。雪が降ったらすぐに家を飛び出して雪掻きをするのです。「雪掻きしすぎて腰が痛い」という父に、「やらなきゃいいじゃん」なんて言うと烈火のごとく怒られます。「じゃあ私たちがやろうか」と言っても、「お前たちの雪掻きではダメだ!」と言って拒否される始末です。
この雪掻き。冬季の父の趣味なのだと思うようにした私です。