6月18日、北星学園大学附属高校にて「国語力の伸ばし方」の講演を行なって来ました。参加されたのは生徒のお母さま方だったのですが、終始真剣な表情で聴いて下さっていました。
このようなありがたい機会を設けて下さった下郡先生を始め、PTAの役員の方々には心より感謝しております。
この講演で私が最も伝えたかったのは、「国語力は重要なコミュニケーションツールであり、一生必要な力である」ということです。
大学に進学したら国語の勉強はもうおしまい…とう訳にはいきません。社会人になると、成績や偏差値など目に見えた評価はされない代わりに、「コミュニケーション力」として客観的な評価が常に下されます。
例えば次のように。
「あの人は敬語の1つも使えないの?」
「あなたは人の話を聞いているの?」
「あの人の話は回りくどくて、何を言いたいのかわからないよね」
「○○ちゃんのお母さん、言葉づかいがヒドいよね」
「この人はホントに空気の読めない人だな。どうして今そんなことを言うのかなぁ?」
言葉遣いが悪く、人に悪い印象を与える。
相手の話の要点を聞き取れない。
きちんと伝わるように整理して話をすることができない。
周りの人の気持ちを推察することができない。
…などなど。
こういう人間は、対外的に「コミュニケーション力が無い人」と評価されます。
そして、この「コミュニケーション力」を支えている大きな柱の1つは「国語力(言語力)」です。国語教育は、「読む」「書く」「話す」「聴く」4領域の力を育成するという目標のもとに行なわれていますが、この4領域の力はまさに「人とコミュニケーションを図る際に必要な力」でもあります。
つまり、国語力を育てるということは「コミュニケーション力」を育てることに直結しているということです。学校卒業が国語学習のゴールでは決してなく、社会で生きていく以上ずっと磨いていく必要のある能力なのです。
今回の講演で、それが少しでも伝わってくれていたら嬉しいですo(^▽^)o
話は変わって、今週の日曜日は教育に携わっている面々でお茶会をしました。
上述の下郡先生、大学ジャーナリストの石渡先生、教育コーディネーターの三井先生、私の4人で教育談義(?)に花を咲かせました。
石渡先生とは初めてお会いしましたが、本の文体から受けていたキツいイメージとはまるで異なる優しい方でした。そして若い((((((ノ゚⊿゚)ノ
かなりの年配の方だと勝手に思いこんでいたのでびっくりしました~!
冷静で鋭い分析力と情熱に裏付けられた行動力。
どちらも併せ持つようなとても素敵な方でした。
「就活のバカヤロー」
「就活のバカタレ!」
とてもわかりやすい文体なので、皆さんもぜひ石渡先生の本を読んでみて下さいね!特に、これから就職活動をされる方には読んで頂きたいです
そして、三井先生は私の高校時代の恩師です。
当時から他の先生とは違う雰囲気がプンプン漂っている、変わった(笑)先生でした。
今は高校を辞められて、NPО法人教育キャリアプロデュースの代表をされています。
特にキャリア教育に力を入れていて、学校教育と企業を結ぶ架け橋のような活動を精力的にされています。
三井先生の著書でお勧めなのは
「教育はどこに行くのか」
http://www.hs-prj.jp/books/hsbook_23.html(アマゾンで購入できます)
現在、教育に携わっている方やこれから先生になりたい方にお勧めです。
「教育って何だろう?」という根本を考える契機になる1冊だと思います。
私自身、現在「国語塾みがく」にて教育に日々携わっていますが、「これでバッチリ!」と満足したことが一度もありません。
いつも「喉が渇いているような状態」で模索し続ける日々です。
…国語を教える意味って何だろう?
…どう教えたらこの生徒の力を伸ばしていけるだろう?
…どう表現したら、わかりやすいだろう?
挙げていけばきりがないくらいに悩み、格闘する毎日です。
「つかんだ!」と思った瞬間、次の壁(しかもちょっとずつ高くなっているような)が現れる。この繰り返し…。
きっと、死ぬまで続くんだろうな(笑)
そしてこの模索は、教育に携わっていく人間にとって、逃れられない義務なんだと思います。
時に逃げ出してしまいたくなるような苦しくて辛い義務だけど、全人生をかけてもいいほど挑みがいのある義務でもあります。