塾長ブログ

不眠症を乗り越えて。

この仕事を始めた時は頻繁に体を壊していました。

不眠症、軽度うつ症、慢性胃炎、自律神経失調症…。いくつ病名が付いたかわかりません。

生徒や生徒のご両親から相談を受けているうちに同調しすぎて思い詰め、気付くと朝になっている。そんな日がざらにありました。生徒の気持ちがまるで憑依したかの如く、苦しくて辛くて、泣き腫らした目で教壇に上がる日もありました。

溺れている人を助けようとして、自分も溺れる感じに似ています。

そのうち体を壊すのが怖くなり、生徒に接する時の心の在り方を変えようとしました。「これは自分に降りかかった問題ではない」そう冷徹に、客観的に考えようと努めたのです。

相談を受けても、のめり込み過ぎないよう意識しました。あくまで一人の指導者として、6割ぐらいの力で解決させようと。
そして、手に負えないことは潔く「私は何の力にもなれません」と言おう。そう決意して、実行していた時期があります。

そのスタンスも長くは続かず、「私は何の力にもなれません」と言うのが逆に苦痛になってきました。6割の力で相談に乗ることがストレスにもなってきました。
本当に不思議なものです。

思えば、小学生の頃からいつも私は誰かの相談役でした。中学の担任にも「坂本は聴き上手だから、これからの人生、いろんな人に頼られるぞ。」と言われましたが、その当時はさほど名誉なこととも思わぬまま、社会人になりました。

ここ数年でようやくです。
大した解決策は提案できなくても、心をぴったり隣に寄り添わせ、そうだねと相槌を打ちながら話を聴くことができる。それは私という人間の資質であり、使命なのだと素直に考えられるようになりました。

指導者として、経験者として、先輩として。これからも生徒たちとしっかり向き合っていきたい。誰にとっても人生とは暗いトンネルを手探りで歩いているようなもの。時に訪れる不安や恐れ、孤独感で前に進めなくなった時には、隣で励まし、手を握り締めてあげたい。たとえ自分の心身が痛むことはあっても、何もしなかったことへの痛みに比べると100倍マシだから。

じっくり話を聴いて、熟考し、調べ、悩み、幾つもの対策を考え、言葉を尽くして話し、あらゆる手を打って、一緒に解決の糸口を探す助けとなりたいと思います。


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