先日、あるお店で見かけた貼り紙にこう書かれてありました。
「お弁当はお持ち帰りできます」
たまに見かけますが、この「お持ち帰りできます」というのは誤った敬語表現。
「お~できます」は謙譲語であり、動作主を低め、その結果、動作を受ける人を高める表現です。
つまり、
動作主=「お弁当を持ち帰る」人=お客さん
を低めて、その結果
動作を受ける人=「お弁当を持ち帰られる」人=店の人
を高めてしまっていることになります。
もっと簡単に言うと、この「お~できる」という表現は「自分の動作」に使います。
例えば、
「私がお調べできますよ」というように。
なので「あなたはお持ち帰りできますよ」
などと、相手の動作には普通使いません。
もしも、貼り紙によってお客様に
「お弁当を持って帰ることができます」と伝えたい場合は、
「お持ち帰り頂けます」と書くのがベストでしょう。
ちなみに「お~頂けます」というのも謙譲表現。
この場合は、「私たちはお客様にお弁当を持って帰ってもらえます」と言うニュアンスになり、正しい敬語表現です。