本校での出来事です。
そろそろ反抗期に入ってきた生徒がいます。何をするのもどこか面倒臭そうと言うか、斜に構えている感じと言うか。
その子にテキストの音読を指示しました。見ると、自分の席で何度も小声で練習をしています。しばらくして私の席まで音読をしにやって来ました。
きっと数回引っかかるだろうな。そう思って聞いてみましたが、そんな私の予想に反してとても上手な音読だったのです。
「音読、上手になったねー!!聞き取りやすいし、一度も間違えなかったでしょ!すごい!」
そう言うと、その子は顔をクシャッとさせて、満面の笑みで頷きました。
当たり前なのですが、「褒められる」ということはとても嬉しいことです。
大人だってそうですよね。褒められたら誰だって嫌な気持ちはしないでしょう。
私は人と接する時、「減点法」ではなく「加点法」でいることを常に心掛けています。
足りないところ、悪いところを挙げて人を見るより、「あるところ」「できるところ」「得意なところ」を発見していくほうが自分にとっても相手にとっても気分が良いものです。
ことに子どもは、褒められると自信が付いて、さらにその芽を伸ばしていくということが多々あります。そのうち、苦手分野も相乗効果で引き上げられていく…そんな生徒を私は沢山見てきました。
そう考えると、先生や親こそ「褒め上手」でいたいものですよね。