骨董屋で購入した、昭和29年発行の月刊誌「中学生の友」。
親子ともども風邪引き真っ只中なので、外に出られません(ひかりは元気いっぱいですが…。)
静養しがてら読んでみました。
特集記事
☆日本と中国の貿易
☆原子力と平和
☆地球に近づく火星
☆日本歴史物語
☆カメラ工場見参記
時代を感じますね~。
現在の同系統の雑誌とは異なり、「学び色」が濃くなっています。
読者投稿の俳句や詩、作文も結構レベルが高く、選考も本格的なのです。
少しご紹介しましょう。
中学生の俳句コーナー
入選A
●母閉ざす 列車静かや 冬の夜
選者評価
じっと見つめる澄んだ心がある。
●この夜の ぼたん雪青白く 光りけり
評価
たどたどしいが、印象の鮮明なのがよい。
入選B
●初雪や 古いわらぐつ 出してみる
評価
手慣れた句でうまい。が、今後うますぎるとかえって平凡になる。直接の感動のないものは作ってはいけない。
●初雪や ぽとりと落ちて 寒つばき
評価
とても面白い句だが、少し大人くさいうまさがある。
入選C
●友の手の 駒のひもにも 年の暮れ
評価
中学生俳句として好もしい無邪気さがよい。
●浜帰る 漁夫の背なにも 秋の風
評価
りっぱな句である。
評価の言葉が深すぎたり、厳しすぎたり、適当っぽかったり(笑)しますが、作品は趣のあるものが多いのではないでしょうか。
この雑誌全体、文字のフォントが小さく、文章がぎっしり。小説を始めとする10編以上の文芸作品が掲載されています。
これを毎月隈なく読んでいたら、教養も国語力も身に付くこと間違いなしだろうなと感じました。
今の雑誌は、当時と比べると内容の薄さが否めません。広告だらけのものもありますし。
でも現代は、インターネットの普及によって情報が氾濫している時代。雑誌など読まなくても情報はどこからでも得られますよね。
また、「雑誌は娯楽。勉強は問題集や塾で」と今ははっきり棲み分けされています。
なので、1冊の月刊誌に学習要素や情報を、こんなに目一杯詰め込む必要はないのでしょう。
だけど、じっくり読んでいくと昭和20年代にタイムスリップしたみたいで楽しかったな
みがくの本棚に置いておくので、お読みになりたいお母さんはお子さんに伝えてくださいね。貸し出しOKですので!