塾長ブログ

20年前の教え子からの電話。

娘のひかりと夕食のミートボール作りをしていた時、自宅の電話が鳴りました。

慌てて手を拭いて出ると…。
「…もしもし、坂本先生のお宅ですか?」

20年前の教え子Aちゃんからでした。
当時、小学5年生だった彼女。普通学級に通いながら、定期的に学習支援教室に通っている女の子でした。
私が勤務していた学習塾にも週1度通っていて、そこで私は彼女の国語指導をしていたのです。

複雑な事情があり、ある年の夏休みの間中、Aちゃんを自宅で預かったことがあります。一人暮らしをしていたので、食事作りも洗濯も、勉強を見るのも全て私1人。
講師の仕事をびっしり入れていたため、毎日が大混乱でした。子どもを育てるのは本当に大変なものなのだと身に浸みたのを覚えています。

情熱に任せて、「私が面倒を見ますから!」と、ご両親や塾長に啖呵を切った私。
1日目にしてすぐに認識の甘さを思い知りました。
感情の起伏が激しく、すぐに癇癪を起こす。
何度教えてもなかなか知識が定着しない。
とても一筋縄ではいきません。

だけど、純粋に私を頼ってくれているAちゃんを悲しませる訳にはいかないと、自分なりに試行錯誤しながら乗り切ったのでした。

その後。
Aちゃん一家が札幌を離れたことにより、連絡が途絶えること20数年。
…そのAちゃんから電話をもらったのです。

聞くと、30歳になった彼女。紆余曲折を経て、現在は旭川で美容師をしているそうです。
また、昨年結婚をして、昨日の金曜日に病院で妊娠が判ったとのこと!

「赤ちゃんのこと、先生に最初に伝えたくて連絡しました。ずっと会っていなかったけど、いつも坂本先生のことを考えながら生きてきました。」

こんな嬉しい言葉、あるでしょうか。
途中から涙が止まらなくて…困ってしまいました(笑)。

彼女の境遇を考えるに、きっとこれまで苦しいことも数え切れないほどあったと思います。
何度挫折や失望を繰り返してきても、その都度立ち上がってきた彼女。
その強さと前向きな姿勢に頭が下がります。

赤ちゃんが生まれたら必ず会いにいくね。
そう約束して電話を切りました。

張りのある、幸せそうなAちゃんの声。
数時間経った今でも、心地よい余韻とともに私の耳に残っています。


メール

お問い合わせ

塾に関するお問い合わせ・ご相談はこちらから。

シェイプ
カレンダー

スケジュールカレンダー

各校のスケジュール確認はこちらから。

シェイプ