数字の「一」の付く漢字。「イチ」と読むか、「ひと」と読むか、迷うことはありませんか?
日常会話や文章などでよく使われる言葉を挙げてみますね。
⭐️「一」を「イチ」と読む(発音する)漢字
一大事•一面識•一目散•一時的•一個人•一元化•一部分•一目散•一段落 など
⭐️「一」を「ひと」と読む(発音する)漢字
一苦労•一安心•一区切り•一工夫•一呼吸•一押し•一切れ•一仕事•一芝居•一筋縄•一握り など
「一」のあとに漢字の熟語(音読み)が続くときは「イチ」と読み、「一」のあとに和語が続くときは「ひと」と読むというように通常は使い分けます。
そうは言っても例外もあります。「一安心」や「一苦労」「一呼吸」などは、「安心」「苦労」「呼吸」と音読みする熟語が後ろに続くのに、「ひとアンシン」「ひとクロウ」「ひとコキュウ」と読みます。「イチアンシン」「イチクロウ」「イチコキュウ」とは言いません。
また、「ん?どっちだっけ?」と混乱してしまう言葉が「一段落」。本来は「段落」と音読みする熟語が続くので「イチダンラク」と読むのが正解です。ところが、これを「ひとダンラク」と発音している人をよく見かけます。どうしてこのような間違いが生じたのでしょうか。
前述した「一安心(ひとあんしん)」は「一段落」と似た構造(一+漢語)なのにも関わらず「ひと」と発音することや、「一段落」とほぼ同義である「一区切り(ひとくぎり)」が「ひと」と読むことから、「一段落」もこれら2つと混同されて「ひと○○」と発音されがちなのだと言われています。
言葉は変遷するもの。「ひとダンラク」と言っている人も多いし、意味が伝わるのならばそれで良いのでは?と思うこともあります。それでも国語を教える人間として、生徒たちには正しい日本語を教えていくことを常に心掛けています。