塾長ブログ

キーワードをチェックするのだ。

模試の結果が返ってきたら、その問題用紙と採点済みの解答用紙を持ってくるようにと、みがく生には伝えています。問題用紙を見ると、全く何の線も印も付けていない生徒がいるのですが、そんな子に限って点数が取れていません。

例えば、説明文や評論文は、段落ごとにキーワード(何度も繰り返し登場する語句や表現/本文上で重要な意味合いを持つことば)にチェックを入れながら、具体的には○で囲んだり線を引いたりしながら読むことで、筆者の伝えたいことが浮き上がってきます。

これは4月に実施された中3用の模試の一部です。

この説明文の1️⃣〜6️⃣段落におけるキーワードは、

⭐️人間頭の良さ=知能

⭐️他人の心(がわかる/を読み取る)

⭐️社会性=コミュニケーションの能力

「頭の良さ」という言葉に至っては、五段落目までに7回も用いられていました。

これらのキーワードを繋げて、ざっくり解釈すると、「人間の頭の良さの本質は、他人の心を読み取ることができる力(社会性)である」となります。

それが読み解ければ、文中の空欄もすぐに埋まります。設問には、「空欄に入る言葉を文中から漢字三字で書き抜きなさい」との指示がありました。頭の良さと深くかかわっているもの、それはキーワードである「他人の心」がわかる能力、つまり「社会性」ですよね。

 

 

文章を書く際、「同じ言葉を何度も使わないこと」と私はいつも指導しています。同じ言葉を使いすぎると文面がワンパターンになってしまうので、他の言葉で言い換えてねと教えているのです。しかし、現代文の評論ともなれば話は別。何度でも同じ言葉や表現が本文には登場します。文章作法だとか、読みやすくて美しい文章を書こうとかいうよりも、読み手に対して自分の意見や考えを正確に伝えるのが第一優先。そのためには何度でも繰り返し同じ言葉を使って、大事な言葉を強調しているのでしょう。

 

キーワードをチェックしながら読むことは、筆者が強く伝えたい内容をしっかり受け取ることと同義です。ふわっと流し読みをするのではなく、アクセントをつけた「止め読み」をする癖をつけることをお勧めします。

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