今日は語源の話です。
「恋」という言葉。
語源的には、「恋ふ(こふ)」が名詞化したもので、古くから使われていた言葉です。そして、「恋ふ」は「乞ふ」と語源が同じだと言われています。
乞う、すなわち「人などに物品を求め、欲しがる」こと。それと同義だったのです。
したがって「恋」という語は、もともと「相手の心身を求めて強く惹かれる気持ち」というニュアンスで使われていたのでしょう。
なにやら我欲的な感じがしますよね。
その本義とは別に、奈良時代の歌中に「恋」を「孤悲(こひ)」と表記しているものも多々あります。
当時の恋とは「孤独に悲しむ片思い」のイメージだったのかもしれませんね。