「『学ぶ』の語源は『まねぶ(真似ぶ)。つまり、学ぶことは、お手本となるものや人を真似ることからスタートするんだよ。」
当時の担任の先生からそう教わったのは、私が中学1年生の時。「学ぶことは真似ぶこと」。音の響きも相まって、生涯忘れ得ぬ言葉となりました。
文献を見ると確かに、「まなぶ」よりも先に「まねぶ」という言葉が登場しています。平安時代には「まねぶ」は「まねをする」という意味で用いられることが大半でしたが、中期から後期以降は「まねぶ=まなぶ/学ぶ•勉強する」という意味でも使われることが少しずつ増えていったようです。
いずれにせよ、「まなぶ=学ぶ」のルーツは「まねぶ」だと言うことはほぼ間違いないようで、知識や技術を習得するためには、模範となるものを見て倣ったり、熟練者の姿をよくよく観察して同じように真似をしたりするのが当時の常識でした。
この姿勢は現代でも変わりませんよね。何かを本気で学びたいと思ったらまず基本の型を覚え、指導者や先輩、自分よりも上手な人•得意な人の真似をして知識や技を吸収するのが上達への近道であり、学びの本質でもあります。「型」や手本から徹底的にやり方を覚え、慣れてきたら真似から脱却して自分なりの方法を模索する。それが先人たちも辿った学びの道筋なのです。
さあ、「まねぶ」ことから始めましょう!