年季が入ったこの問題集。
私が高校2年生の時、国語の授業で使っていたものです。
もともと国語は得意教科ではあったのですが、より好きになったのは高校3年間、教科担任をして下さっていた太田孝先生のお陰だと思っています。
当時、太田先生は女子生徒に絶大な人気を誇っていたのですが、私も隠れファンの1人でした(笑)。褒められたいが一心で予習、復習を熱心に行い、一目置かれる存在になりたくて、毎回の定期テストも誰より頑張っていたものです。
太田先生が人気だったのは、そのルックスだけではなく、授業がわかりやすく楽しかったから。古典の授業で聞いた世阿弥の話や、俵万智の短歌など、今でも深く胸に刻まれた言葉が多々あります。勧められて読み耽った本があります。そもそも私が古典好きになったのは太田先生の影響に他なりません。先生の存在と教えは何十年経った今でも、私の中に確実に生きているのです。
先の問題集を開くと、そこに高2の私がいます。中村草田男の設問一の1は、「いいね。模範解答以上の答えだね。」と太田先生が言ってくれたものです。当時の私は何でもない感じで冷静を装っていたけれど、内心は嬉しくて堪らなかったなあ。
画像では見えにくいのですが、この問題集には先生が手に持っていた黄色のチョーク跡がついているのですよ。それを見ると一気にタイムスリップした気持ちになります。
太田先生とは毎年、年賀状のやり取りをしています。私にとって先生は恩師であり、目標であり、講師としての道を開いてくれた恩人であり、今でも「大好きなせんせい」です。