塾長ブログ

ダントツ

ニコニコ「徒競走の結果はどうだった?」

ひらめきダントツ一位だったよ」

泣き笑いダントツでビリだった」

…なんて会話、よく耳にしませんか。

でも、この「ダントツ一位」「ダントツでビリ」という使い方、実は間違いなのです。

「ダントツ」は「断然トップ」を省略した俗語で、二位を大きく引き離して首位にある状態を表します。つまり、ダントツという言葉には既にトップ(一位)の意味が含まれているのです。それなのに「ダントツ一位」と言ってしまうと、「一位」を2回言うことになり、意味が重複してしまいます。頭痛が痛いとか、牛の牛乳…とは言いませんよね。それと同じです。

また、「ダントツ」の「トツ」は、トップ(首位/先頭/先端)の略なので、本来は「ダントツでビリ(=最下位)」とは言いません。先頭と最下位とでは意味が矛盾してしまうからです。

 

先の例なら、「圧倒的な一位」「ぶっちぎりの一位」「ダントツだったよ〜」などが正しい表現となります。圧倒的もぶっちぎりも、他と比べて大きく優れたさまを表す言葉ですが、一位(トップ)のみを指す訳ではないので、上のように使っても誤用ではないのです。

 

今回は間違いやすい言葉の一例をご紹介させていただきましたが、言葉は生き物のように時代によって変わっていくもの。近い将来はこれらも誤用ではなくなるかもしれません。私は国語を教える立場なので、その時代の正しい言葉遣いを教えていますが、最も大事なのは言葉面ではなく、思いを伝えようとする人間のこころ。生徒たちにはそれを忘れないでいて欲しいと思います。

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