塾長ブログ

上手い!と思わせる「日記」の書き方〜表現編

今回は、上手い!と思わせる「日記」の書き方〜表現編をご紹介します。

 

①一文を長くしないこと。あくまで目処ですが、50〜60文字以内だと読みやすい文章になります。

 

②一文に内容を盛り込みすぎないこと。一文中の話題は2つ程度に留めましょう。

 

③常体(…だ/…である など)と敬体(…です/…ます など)、どちらかに統一すること。

 

④文末をワンパターンにしないこと。→「…ます。」「…ます。」などと、同じ言葉を連続させないように工夫します。

 

⑤習った漢字を使って、丁寧に書くこと。

 

全て文章作法の上では常識中の常識の事柄と言えるのではないでしょうか。それでも、これらをしっかり守って書くのは意外と難しいものです。

特に②。みがく生でも、1つの文に話題を盛り込み過ぎる生徒がなんと多いことか。例えば、こんな感じに。

暑いのでアイスを買ってもらって、家に向かって歩いていると友達の麻衣ちゃんに会ったので、一緒に帰ってたくさん話をして、ダンスを習っている麻衣ちゃんに今度おどりを教えてもらう約束をしました。

一文の中に、

★アイスを買ってもらったこと

★帰り道で友達に会ったこと

★麻衣ちゃんはダンスを習っていること

★ダンスを教えてもらう約束をしたこと

と、4つの話題がぎっしりと詰まっていて、何だか渋滞している感じです。それに、1つ1つの話題を一文に詰め込んでしまったものだから、4つの話題の印象が全て薄まってしまっています。それって、すごく勿体ないですよね。4つの話題をそれぞれ丁寧に書いてみたのが次の文章です。

暑いのでアイスを買ってもらうことにしました。悩んだ末、私が選んだのはソーダ味の氷アイス。それが大正解で、さっばり味の冷たいアイスが、熱くなった体に染み込んでいくようでした。

アイスを食べ終えたその時です。背後から「メイちゃん?」という声がしたので振り返ってみると、同じクラスの麻衣ちゃんが立っていました。聞いてみると、ダンス教室から帰るところだそうです。4月に行ったお楽しみ会で麻衣ちゃんはBTSの曲を踊ったのですが、それがとても上手だったのを思い出しました。私はダンスには自信がなく、一つも得意な曲がありません。そう話すと、麻衣ちゃんは「K-POPだったら踊りやすいから、今度教えてあげるよ」と言ってくれたのです。

…丁寧に書くと、先程の一文がここまで長くなりました。昨日の記事で書いた「面倒臭がり」さんにはなかなか書けない文章ですよね。

もちろん、無理に長くする必要などありませんよ。「もう書くことがなくなった…。あと半分、何を書けばいいの?」と言う前に、それぞれのトピックスを少しだけ掘り下げて丁寧に説明すると良いですよ、ということ。一文を短めにして、文中の話題をせいぜい2つ程度に留めたほうが、ぐんと読みやすくなります、ということを伝えたかったのです。

この「読みやすさ」は文章を書く上で、とても大事な要素と言えます。誰かと会話をすることだけがコミュニケーションではありません。読んでいる人に思いを馳せて文章を書くのだって立派なコミュニケーションなのです。

⑤の、習った漢字を使って書くのも同じ理由。高学年がこんな日記を書いたらどうでしょうか。

きょうはがっこうでかがみおにをしてあそびました。ぼくはおにになったので、さいしょにゆうやをつかまえようとおもってぜんりょくでおいかけました。

うーん、読みにくい。全て平仮名で書かれた文章は大変読みにくく感じます。日本語という言語は、平仮名の中に適度に漢字が混ざっているからこそ、内容がすうっと頭に入ってくるものなのです。漢字を書くのが面倒だからと言って、平仮名中心の文章を書いていると、読みにくいだけではなく、読み手に幼稚な印象を与えてしまいます。

この文章は読みにくくないかな?と、読み手のことを常に意識し、相手を思い遣って書くことは人間性を育む上でもとても大切なこと。また、この「思い遣り」は、国語という学問の「魂」とも言えます。

 

 

前後編に渡ってご紹介した「日記」の書き方ですが、今回の表現編では日記だけではなく、作文全体に通じることを書かせていただきました。ほんの少しでも参考になれば幸いです。

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