みがくでは、今年から中学生への授業に「学習シート」を導入しています。
この学習シートには以下の内容を書いてもらいます。
・新出漢字
・重要語句
・話のあらすじ
・縮約
・登場人物の相関図
本文の内容を深く把握でき、国語力(読む力)をつけるのに効果的なのが「縮約」です。
縮約とは、「内容や表現を変えずに、本文のボリュームを3分の1(または4分の1)程度に縮める」作業です。
例を挙げますね。
ピアニストとはピアノが上手な人のことだし、声楽家とはきれいな声で上手に歌が歌える人のことであり、作曲家は曲を作る人をさす。そういう人になるためには、ピアノを練習したり、声を作る訓練を受けたり、作曲の理論や技術を勉強しなければならない。そうやっても名人や大家になれるかどうかはわからないにしても、まずそれをやらなければ話にならない。しかし音楽批評家(批評家も同じことにしよう)とは何をどう勉強した人種なのか。そして良い批評家とそうでない批評家の違いはどこにあるのか。(吉田秀和『音を言葉でおきかえること』より抜粋)
これを縮約してみます。
ピアニスト、声楽家、作曲家。そういう人になるためには、理論や技術を勉強しなければならない。
しかし、音楽批評家とは何を勉強した人種なのか。良い批評家と悪い批評家の違いはどこか。
…言い回しを変えず、内容にも手を加えず、これだけ短くしました。
それでも文意は十分通じますよね。
ポイントは、
「本文を読んでいない人でも、縮約文を読めば内容が理解できる」ということです。
削りすぎてしまうと何を言っているのかわからなくなるのでNGです。
この練習を重ねると、「本文でどこが読み飛ばせない重要部分で、どこが軽く流してよい部分か。」を判読できるようになります。
そうなると速読につながるし、本文の主旨を見失わなくて済みます。
最初は下手な縮約文になると思いますが、それもトレーニング次第!
とことん付き合いたいと思います。