塾長ブログ

古文日記〜くろつふる

久々の古文日記です。
頻出古語や重要助動詞を用いて書いてみたので、高校生は古文のほうを頑張って読んでみてくださいね(今回は敬語を省いています)。その他の方々は、下に現代語訳を載せましたので、どうぞそちらをお読みください。
【古文】
みがく本校から徒歩(かち)より5分ばかりの方になむかの茶屋のありし。
いみじうのどまる茶屋にて、事づまらんをり、あらたきことなど案ずるをりしも、しじに為したりけり。ことに三つばかりなる2階のかたのこよなく思はれ、時の忘るるほど落ちゐるけしきの茶屋なりけりな。
さるはほどを経て、由のあるにや、主、このかたを閉めて往にたりける。そのかみ、よるべなき心地して飽かず、さうざうしかりけるぞかし。
 
先つころ、かの茶屋のまへをかからむとおぼえたり。茶屋の閉めたるのち、酒ひさがむ店出で来たらんこと音に聞きしかど、われ下戸なれば、さらによしなきかたなり。人のいと繁からぬ道にて商いわたるべからむやとゆかしくなむ。
 
茶屋のまへに着きぬ。酒ひさぐ店はや失せにける。のちにあらたき店あり。みめのをかしき構へなる茶屋なりけり。
はしるはしる戸を開くるに、店の主なる人、「いざたまへ。心ゆかん座へ。」となむ。主のなつかしき色にさそはるままにやがて2階へのぼる。
 
いで、あはれや。

内はいささかたがへれど、ありしのをかしかりし茶屋とたがはぬけはひなり。

 

食はむ物ものしたる書を見るに、くろつふるをむねとしつつ、やすくものせられん設け、茶などのあるめり。

くろつふるこそ、わつふるのごときくろわつさんのことなれ。内のほやほや、外のほどよく焦がるるさまこころにくきすいいつにぞありける。さる道の茶屋になりぬめり。

 
環状通東のはたにぞゆるゆると過ぐせらるる茶屋のをさをさなかんなり。まいてみがく文屋の起こりし方にはたえてなきにや。あからさまにこうひいをものしてのどかに過ぐしつ、とかくながめつなんどせむ方なむわが身にはえうずなる。長くあらなむと思ひつつ、あまきくろつふるをば食ひたるぞかし
 

【現代語訳】
みがく本校から歩いて5分ぐらいの所にその喫茶店はありました。
とても居心地の良いお店で、ふと仕事で行き詰まった時や新しい教材のアイディアを考える時なんかに利用していたのです。特に3席しかない2階席が私は大好きで、何時間でもいられるぐらい落ち着く雰囲気のカフェでした。
しかし、そのお店は数年前、お店の方の都合で閉店することに…。当時は、居場所が失われたような寂しさを覚えたものです。
先日、その喫茶店の前を通ってみようとふと思いつきました。喫茶店の後には居酒屋が入ったと噂で聞いていましたが、お酒を飲まない私には全く縁のない場です。人通りの少ない裏道で、居酒屋が経営を続けられているのかという興味もありました。
店の前に到着。居酒屋は既になく、代わりに新しいテナントが入っています。それは可愛らしい店構えのカフェでした。
ドキドキしながらドアを開けると、「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」と店員さん。優しい笑顔に促され、すぐに2階の席に向かいます。
…ああ、懐かしい。

内装は多少変わっていましたが、大好きだったあの喫茶店と同じ空気が漂っています。

メニューを見ると、クロッフルを中心にカフェメニューが揃っていました。

クロッフルとはワッフルの形をしたクロワッサンのこと。中はもちもち、外はカリカリの食感がおても美味しいスイーツです。その専門店に生まれ変わっていたようです。
環状通東駅の近くにはゆっくり寛げるカフェがあまりありません。ましてやみがく本校の近くには全く無いと言ってもよいでしょう。ちょっとコーヒーを飲みながらゆっくりしたり、あれこれと考えごとなどをしたりする場所が私には必要。どうか長く続いて欲しいと願いつつ、クロッフルを美味しく頂いたのでした。

1616cafe

 

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