10日がかりで完成した娘の自由研究。
今回もきのこについての研究です。今年の夏のテーマは「胞子の飛散について」。
胞子の飛び方を分かりやすく説明するために、拡大模型を作りました。自由研究ではほぼ模型の制作だけですが、生態分布や学名の由来など、北海道キノコの会の役員の方や、慶応義塾大学生物学の教授にもご回答いただきながら学習を進めましたよ。
大好きなタマゴタケは、実物の約1.5倍。
ひだで作られる胞子は1250倍の大きさです。
マクキヌガサダケは実物の3倍。頂部の暗緑色の部分(粘着質)はグレバと言って、胞子が作られる組織です。グレバは強い臭い(糞臭)を放って虫たちを誘き寄せます。手足に胞子液が付着した虫たちがあちこちに飛んでいき、遠くまで胞子が運ばれていくのです。
ハタケチャダイゴケの模型は実物の30倍。
カップの中には胞子の入った粒(ペリジオール)が整然と並んでいます。そして、雨粒が当たるとカップの中から「へその緒」付きの粒が勢いよく飛び出して、葉などにくっつきます。その葉を食べた動物の糞から粒が未消化のまま排出され、遥か離れた地でまたチャダイゴケの胞子が芽生えるというシステムです。
小学校の自由研究なので、いつもは「きのこトランプ」とか、「しいたけの観察」など、同級生でも興味を持ってもらえるようなテーマにしていました。でも今回は、「理解してもらえないかもしれないけれども取り組みたいテーマ」を選んだ娘。私たち親子は、なんて神秘的で面白いんだろう…とうっとりしてしまいますが(笑)、出来上がったものを見ると…やっぱりマニアック過ぎたかな。