浪人生の中には「5浪」、「6浪」、またはそれ以上という人も稀にいます。
私の講師人生で最高記録が「9浪」の生徒でした。
彼は国立理系志望で、将来的に医者になるのが目標でした。
国語と日本史はマニアの域に達するほどよく出来ていたのですが、英語と物理の点数が伸びない。
そんな状態が続いていました。
理系なのに…(笑)。
ずっとアルバイトをしながら勉強を続け、9年目に晴れて合格を勝ち取ったのでした。
先月の中旬。
なんとその彼から電話がかかってきたのです!!
最後に会った時から実に6年ぶりの音信でした。
大学を卒業し、現在は東京都内の病院で研修医をしているそうです。
「時間はかかったけど、諦めなくてよかった」
そう何度も彼は言っていました。
うん、そうだね。
不安や焦り。
プレッシャーや自己嫌悪…。
9年間は自分との戦いだったよね。
普通の人だったら、とっくに諦めていたかもしれないね。
夢を実現できたのは、君が君のことを最後まで信じてあげたから。
砂を噛むように思えた苦しい毎日でも、しっかり前を向いて進んできた、その成果だね。
おめでとう。
おめでとう。
頑張ったね。
わずか5分足らずの会話。
胸がいっぱいになり、最後の言葉がかすれてしまいました。
あきらめきれぬ事があるなら 「あきらめきれぬ」とあきらめる
あきらめきれぬ事があるなら それはきっといい事だ
( THE BLUE HEARTS 「泣かないで恋人よhttp://www.youtube.com/watch?v=bccUdpemCic 」)