最近ひかりとよく行く公園。
鉄棒を見ていたら、何だか無性に逆上がりがしたくなった。

逆上がりなんて、一体何十年ぶりだろう？
小学生の頃、鉄棒が得意だった私。
当時としては難度の高かった空中逆上がりも連続で出来るほどだった。

かなりブランクはあるけれど、絶対に出来るはず！
両手で鉄棒を握って、
「せ～の！！」

あれ？失敗…。
足が上がりきらず、回転できなかった。

しばし反省する。
わたし今、腕の力だけで回ろうとしていたよね。
そもそも腕力なんて人並み以下のくせに。

よし、今度は体全体を使おう。
勢いをつけて…今度こそ！
「せ～の！！」

やった！成功！

それにしても、１回目の失敗ってまるで「人生」に通じるなぁ。
「知識」や「過去の実績」ばかり先行したり、小手先のテクニックに頼ったり、はたまた力わざや惰性で乗りきろうとしたり。

何かを成し遂げるのって、それらだけでは難しい。

体全体を使って、汗を流す。
どんなに面倒でも泥臭くても
労苦をいとわず、失敗を恐れずに一歩を踏み出す。
そんなパワーと度胸が必要なのだろう。

私ももう一度、初心に返らなきゃ。

鉄棒から降りた私を見たひかり。
「で！で！(できた、できた！)」
小さな手をパチパチたたきながら楽しそうにそう言った。

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