明治25年に出版された「道楽全書之内(どうらくぜんしょのうち)」という書物。
その中に「重語競(じゅうごきそい)」という番付が掲載されています。重語(重言)とは、同じ意味の言葉を重複して使ってしまっている誤用表現。例えば、「頭痛がいたい」、「馬から落馬する」などのようなものを指します。
前述の本には、明治時代によく間違えて使われていた重語が紹介されていました。
★月夜の晩
★面長の顔
★一番最初
★大きな大仏
★半紙の紙
…なるほど、どれも間違えて使いそう。
「面長(おもなが)」という言葉は、「顔が少し長めである」という意味です。「面」という文字は「顔」という意味で、元々は「おもて(おも)」と読みました。時代劇などで耳にする「おもてを上げ~い!」と言うのも「おもて=面=顔」という意味で使っています。また、お祭りなどで売られている様々なキャラクターの「お面」も「お顔」という意味です。
という訳で、先に挙げた「面長の顔」という言葉。「少し細長い顔の顔」というおかしな意味になるのです。「面長」だけでも「顔」の意味が含まれているのに、さらに「…の顔」、と同義語を加えてしまっています。
「一番最初に…」という表現は、現代でもよく見掛ける重語(誤用)です。
明治の時代から、
「日本語って難しいなあ…」なんて思いながら、皆さん国語を勉強していたのでしょうかね😄