塾長ブログ

「誰とでも仲良く」なんて無理。

国語という教科を通して、生徒たちにコミュニケーション力というものを教えたいなといつも考えています。

とは言え、「誰とでも仲良くできること」に私は価値を置いていません。誰だって苦手な人の一人や二人はいるものです。その人達も含めてみんなと仲良くするべきだとはどうしても言えないのです。
日本人は総じて、「自分や周囲とは違う人」に対して異端視したり、変えようとしたり、排除したりしがちな傾向にあります。日本が島国で、単一民族なのもあり、所謂「変わった人」に慣れていないのでしょうね。
しかし、自分と他人は違う人間であり、考え方や価値観も違っていて当然。それに人を変えることは容易ではありません。考えてもみてください。自分自身だってなかなか変えられないのです。ましてや他人などそう簡単に変えられる訳がありませんよね。
成長過程にある子どもなら、誤った考え方や行動を大人が変えてやらなくてはいけないこともあります。しかし、大人が大人を変えるなんてことは至難の技。親にせよ、友人にせよ、同僚・後輩にせよ、皆さんもこれまでで「人を変えることの難しさ」を少なからず体験しているのではないでしょうか。そもそも変えようとする考え方自体が間違えているのです。
気の合わない人とは距離を置く。お互いにストレスを感じない距離で接することが一番です。気にいらないからと攻撃したり嫌な態度を取ったりするのではなく、その人と一定の距離を置くことを私はいつも勧めています。体や心を壊してまで、苦手な人と仲良くする必要はどこにもありません。勇気を持って離れましょう。
世界には様々な考えを持った人がいること。他人と自分で価値観が異なるのは当然だということ。それを頭に叩き込んだ上で、「この人はこういう風に考えるのか」と受け止め、ワタシと違う意見を尊重する。そんな姿勢こそが大切なのだと思います。
そう考え、そう人と接することができれば、私たちの心はもっと柔らかく、もっと優しく、もっと強くなれるような気がするのです。


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