塾長ブログ

中谷先生

今回は、みがく講師である中谷(なかや)先生の記事をご紹介します。中谷先生は西町校と清田校の指導を担当しています。
教室内での私と生徒とのやり取りを聞いた際の所感を書いてくれました。
私は彼の「熱のある文章」が好きで、みがくの講師にスカウトしました。内容の是非はどうあれ(笑)、普通の人なら流してしまうだろう日常の一コマをその深淵まで考え、文章として表現する。彼も経営者でありながら、この手間隙を惜しまないのは尊敬に値すること。普段から、考えることや言い表すことが好きで、習慣化していないと到底できることではありません。
この「物事を深く考え、それを表現することを厭わない」というのは、みがくが生徒に望むところの1つ。それに「内容」と「わかりやすさ」が加わるとさらに理想的なので、あの手この手を駆使して指導しています。
■「いつもありがとう。バイバーイ」
昨年同様「受験を控えていた頃の私はどんな心境だったのだろう」と考え出す時期に入った。私は放任主義の両親のもとで過ごしたせいか、同級生たちに比べて大したプレッシャーを感じていなかったとは思う。

小5の生徒と今日の課題の話をしながら、私は、躓いている中3生徒と塾長との、毎週のように繰り返される進学についての会話を、はたから聞いていた。教育者は教育者でしかなく、神にはなれないことを実感する。

進学のための塾ではない、という風変わりな立ち位置の塾の講師として受験生を眺めていて感じるのは、子供によっては、背負うプレッシャーとそれを乗り越えたことで得られる利益のバランスが決定的に崩れているのではないか、ということだ。そして、その一因となっているのは、ズバリ、親の存在なのではないだろうか。

大抵の生徒が進学塾に通いながら、更に付加価値的にこの塾に通ってきている。何のために子供時代を生きているのかわからなくなるような多忙な現況で、そのうえ親から背負いきれない程のプレッシャーをかけられたら、どこにも救いの無い状態に陥ってしまうのではないか。

ところで、課題によっては私は生徒にスマホを貸すことがある。生徒はテキパキと検索し、課題に必要な情報を引き出す。昨日、スマホを貸していた小5の生徒が、
「先生、これに気づいた?」
と画面を見せてきた。よく見ると私のスマホに新規の録音がされている。先週スマホを貸した際に、生徒がこっそりメッセージを残していたらしい。

ハキハキと自分の心情を吐き出せるこの生徒も、いずれは受験生になる。その時も変わらずハキハキしていてくれるだろうか。それとも、私自身の限界を思い知らせるべく、悲しく立ち塞がるのだろうか。

受験制度は廃止されるべきだ、
そう思いながら今、30秒ほどのメッセージを繰り返し聴いている。


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