「あっけ、1日遅れたけど誕生日おめでとう。」
東京にいる友人から、昨晩遅くにメールが届きました。
今回の震災で、旦那さんのご両親が行方不明になっていて心配だ、とも…。
友人は小学生の時に両親と死に別れています。
結婚すると決まった時、「旦那ももちろん大切だけど、私にも両親ができたことが何より嬉しい。親孝行をしたい」と言ってた彼女…。
今の心境はいかばかりでしょうか。
周りにはいつも気丈に振舞っている彼女ですが、誰よりも傷つきやすい性格なのは親友である私が一番よく知っています。
この状況で、私の誕生日を覚えていてくれたこと。
そして、それを言葉にして伝えてくれたこと。
ご両親の現状と友人夫婦の苦しみ。
…堰き止めていた感情が一度に押し寄せてきて、夜中に声を上げて泣いてしまいました。
サッカーの欧州チャンピオンズリーグで、「私たちは日本の皆さまと共にいます」と日本語で書かれた横断幕が掲げられていましたね。
それを見ると、なんだか心が温かくなりました。
そして元気付けられました。
改めて、「言葉の持つ力」を感じてしまいます。
伝えたい心があって、その心を乗せるものが言葉です。
まずは「心ありき」で、それを具体的に表現したのが言葉です。
でも、私は「言葉ありき」でも良いと思っています。
言葉に心がなくても、その言葉を発するだけで周りを良い気分にすることも多々あります。
「おはよう」とか「ありがとう」とか「お疲れさま」とかが、その例です。
心を込めていても、込めていなくても、
言葉を発するという行動と「その言葉の持つ力(言霊)」だけで十分なこともあると思うのです。
戦中・戦後や、大災害、大不況、大事故…。
脱力感と絶望に打ちひしがれていた時、人々を支えてきたものの1つに「言葉」があります。
戦地で読んだ、家族や恋人からの手紙。
絶望の淵に立たされた時にふと耳にした歌謡曲。
暗い闇の中、同じ境遇の仲間たちと交わした何気ない会話。
底なしのような悲しみの中で、周囲の人からかけてもらった叱咤激励のことば。
…私たちが幼児の頃から習得してきた「言葉」は、今のように悲しみに暮れている時にこそ役立ちます。
私が精魂傾けて育てている国語力は、こんな時に使うためにあるのだと思います。
…地震のこともあって、今年の誕生日はパーティーなどの集まりを自粛していました。
大変なときなのにメールをくれた親友をはじめ、沢山の方からメッセージやメールを頂いたことを心から感謝します。
どんな状況でも、「おめでとう」と言われるのはやっぱり嬉しいものですね。
この世に生を受けたことに、改めて感謝します。
お祝いをしてくれた皆さん。本当にありがとうございました。