私のブログをお読みになってメッセージをくださったことがきっかけで、長年交流させてもらっているおかぽ先生。神奈川県などの学習塾で同じく国語指導に携わっていらゃしゃる先生です。実際にお会いしたことはありませんが、ブログやメッセージを通じて、私は勝手に長年の知己のような存在に感じています。
おかぽ先生のブログを毎回楽しく読ませていただいているのですが、先日の記事は特に興味深いものでした。
「リブログ」を本当はしたかったのですが、上手くいかなかったので、先生の記事をコピーしてご紹介いたします。
「毎年必ずお邪魔する、四谷大塚の中学入試報告会。昨年は、明治大学での入試報告会にお邪魔したが、今年は横浜に。
やはり、気になるのは国語の今年のデータ。
長文化が進む中、今年は、
《9,000字を超えた学校》
浅野、海城、サレジオ、鴎友、普連土、市川、神大付属、渋谷
教育学園渋谷
《10,000字を超えた学校》
駒場東邦、聖光学院、早稲田、青山学院、浦和明の星、栄東
だったそうだ。
その中で、一番字数の多かったのが
慶應義塾湘南藤沢 14,500字。
これには、ちょっと驚かされた。
なぜなら、慶應湘南藤沢の国語の試験時間は45分だからだ。
毎年長文を出す駒場東邦の試験時間は60分である。
文庫本の1ページの平均が650~700字。700字として計算すると7,000字で文庫本10ページ分。
14,500字だと、文庫本20ページ分を超えることになる。
駒場東邦のほうが記述式の解答数が多いとは言っても、ずいぶん思い切った字数にしたものだ。
実際に入試問題を解くと考えると、いくら遅くても14,500字を25分以内、できれば20分以内でしっかり情報をつかみながら読み切らなければ、解き切ることはできない。
私が、日ごろから繰り返し訴えている『音読』のトレーニングの重要性が、より高まったと感じた。
読書離れが懸念されるなか、
『文章をしっかり読みこなせる生徒がほしい』
という、学校側の強いメッセージを感じる。
記述式の内容については、『自分のことばで答えなさい』という形式が増えつつある。
四谷大塚の国語の担当者は、
〇 読み取ったことばを自分の言葉で発信する『表現力』
〇 細部まで徹底して正確に読む『読解力』
〇 大人の言葉を正確に使いこなす『語彙力』
の必要性を強調していた。
授業の中で、記述式の解答を作る作業をしていても、どういう言葉を選ぶかの前に、どういう言葉を知っているか、使えるかが問われてしまう。
どの学年にも、『漢字・音読・意味調べ』の必要性を強く説いているのは、読解といい、記述といっても、基本となる語彙力を強化しなければ、そして、どれほど長い文章を出されても、平気で読み切る力をつけなければ、上位校、難関校、最難関校の国語には太刀打ちできないからだ。
これからも、長文化の傾向は続くに違いない。いや、続くだけでなく、ますますその傾向はエスカレートしていくに違いない。
『読み解く力』は、中学受験を乗り切る力であるだけでなく、新しい大学受験に対応する力でもあり、そしてAI時代を生き抜くための最も重要な力でもある。
…中学受験にして 14500字!
文庫本にして20頁ほどの長文を45分で読み解く。…国語学習に近道なし。それを痛感します。