今日、近くの大型スーパーで珍しい人に会いました。若い頃に勤めていた学習塾の教え子であるAくんです。
Aくんとは小学1年生から6年生までの付き合い。家が同じ方向だったので塾の帰りによく一緒に帰ったりもしていました。
小学1年生のAくんは落ち着きがなく、椅子にじっと座っていることができない子でした。家から真っ直ぐに塾に来たことがなく、いつも寄り道してからやって来ます。…そうそう!蛙や幼虫を被っていた野球帽に入れて教室に持ってきたこともありました。
当時の塾長に本気で怒られてたっけ。
国語が苦手で、1年生の後半でも平仮名表記があやふや。平仮名がスラスラ書けないものだから、作文を書くのも苦痛の様子で。担当した私はまずAくんを席に座らせることから始めます。そしてAくんを上手く乗せるために、クイズを出したり、タイマーで時間を計ったりしながら、ゲーム感覚で学習を進めていったものです。
特に指導で時間をかけたのが音読です。音読をさせると正確に文章が読み取れているかがわかります。隣に座りながら根気強く見守っていたのを覚えています。
そんなAくんと数十年ぶりの再会!Aくんが私に気付いて声を掛けてくれたのです。「Aです。」と名前を言われるまで、誰かわかりませんでした。あまりに会っていなかったので!
今年で30歳になるAくんは現在、ある企業で研究職に就いているそうです。ここ数年の間にお父さんの仕事を継ぐかどうか、岐路に立たされているのだと話してくれました。
あのAくんが30歳かあ。
私も年を取る筈だ(笑)。
研究職とはAくんらしいな。
これまでの数十年。どんな思いで、どんな道を歩いてきたのでしょうか。
昔の教え子との邂逅は懐かしさと嬉しさと…。感慨深い気持ちにしてくれます。
随分と体つきに貫禄が出ていたAくん。好奇心旺盛のキラキラした瞳は相変わらずでした。