私はいつも国語力の大きな柱の1つとして「聴く力」の大切さを訴えています。
話を聴く力が弱いと、様々な支障が出てきます。子どもの場合は、授業中に先生の話を聞き取れなくて学習がどんどん遅れていきます。また、社会人でしっかり話を聴けないと、仕事だけではなく、対人コミュニケーションにも悪影響が生じかねません。
ところが学校や塾では、読解力、読む力や書く力、話す力までは指導しますが、この「聴く力」は本人任せであることが多いのが現状なのです。
私は以前、社会人向けの「国語力をアップさせるための聴く力講座」を開講していましたが、大人になっても聴く力のない人がなんと多いことか痛感しました。
私は聴く力を4段階に分けて指導しています。
❇レベル1
情報をありのまま、正確に聞き取ることができる。相手が話したことを鸚鵡(おうむ)返しできる力。
❇レベル2
話の要旨を理解しながら聴くことができる。
「つまり何が言いたいのか?」「何がどうなのか」を論理的に組み立て、相手の話の内容の要旨を理解できる力。
❇レベル3
話し手の意図を察知しながら聴くことができる。「相手はなぜ自分にこの話をするのだろう?」などと、話し手の意図を察知しながら聴ける力。
❇レベル4
話し手の本音を引き出し、話し手に好感の持たれるような聴き方ができる。
「あなたと話をすると楽しい!」「あなたともっと話したい!」と思われるような聴き方。
レベル4までいくと、文句なしの「聴き上手」ですね。聴き上手は人から愛され、相手にも信頼感を与えることができる人です。なので、この聴く力は時間と労力を割いてでも、生涯磨き続けていく価値のあるものだと私は考えています。
そしてこの力。社会人になってからではなく、子どものうちからキッチリと学ぶべき項目の1つです。みがくでは毎年恒例の必須学習として、この聴く力を身に付けるための学習を行っていますよ。
今年度は11月に「上手な聴き方トレーニング」を行う予定です。