隙間時間に「徒然草」の原文を読んでいます。今までに何度も読んでいる本ですが、読むたびに発見や気付きがあります。私の場合、精神的に疲労が溜まってくると本が読みたくて仕方なくなるのです。古文を読むと特に癒されます。
忘れていた感情を思い出すと言うか、どこか懐かしさを覚えると言うか。こればかりは人には上手く伝えられない感覚です。
さて、「徒然草」62段にこんな和歌が出てきます。延政門院が幼い頃に、父の嵯峨天皇に宛てて詠んだ歌と言われています。
二つ文字 牛の角文字 直ぐな文字
ゆがみ文字とぞ 君は覚ゆる
この歌、実はお父さんに対して、あるメッセージを込めた「謎かけ歌」なのです。
●二つ文字…2つの線で出来ている文字➡こ
●牛の角文字…牛のツノの形の文字➡い(ひ)
●直ぐな文字…まっすぐな線みたいな文字➡し
●ゆがみ文字…歪んだ形の文字➡く
つまり、あなた(お父さん)のことを「恋しく」思っていますよという歌意になります。
普通に「お父さん、傍にいてよ」と詠むのではなく、敢えてなぞなぞや暗号のように詠んだあたりが子どもらしくて可愛いなと思います。
…娘のひかりも、最近はなぞなぞブーム。こちらが出した問題に答えさせるだけではなく、自分で問題を作らせるということもやっています。発想力、思考力をバランスよく育てていくためのトレーニングでもあるのですよ☺