お正月。皆さんはどのようにお過ごしですか。
私はテレビ番組にせよ、家中に流れる空気感にせよ、お正月独特の雰囲気があまり得意ではありません。早く通常に戻って欲しいぐらいです。
数少ない楽しみの1つは、届いた年賀状にゆっくり目を通すことかな。古い友人や親戚の顔を思い浮かべ、「今年こそは会いたいなぁ」なんて思ってみたり。みがくの生徒からの年賀状は教室に届くので、今年は4日にならないと読めません。明後日、楽しみに向かいたいと思います。
ところで「年賀状」をやり取りするというこの風習。平安時代には既に貴族の間で行われていたそうです。
平安時代の文献「雲州消息」には、年始の挨拶の文例が紹介されています。
内容はこんな感じです。
右改年之後、富貴萬福、幸甚幸甚…
(年が明け、富貴萬福が訪れるようです。めでたいめでたい…)
新年を迎えられたことを慶び、周りの人にもその気持ちを伝えて、その年の幸福を祈ること。我が国でも遥か昔から続けられてきた風習なのです。
文中の「富貴萬福(ふうきまんぷく」。唱えるだけでご利益があると言われていた言葉だったようですよ。さらに効果を確実にするために、紙にこの言葉を書き出して家の壁や柱に貼ったり、持ち歩いたりしていたとも言われています。
言霊や呪術(おまじない)が常識として受け入れられていた当時らしい発想ですね。
実は中学生の時、冬休みの宿題の書き初めに「富貴萬福」と堂々と書いて出した経験があります。うろ覚えですが、「平安時代の呪術」という本を図書館で借りて読んだので、この言葉をどうしても書いてみたかったのです。
担当の先生に「富貴萬福…。坂本さん、アンタ面白いね」と呆れられたのを今でもはっきり覚えています。
そんなこんなで(笑)、これから義母たちの家に挨拶に行ってきます。