日本語には「褒め言葉」が少ないと言われています。古き世から、明るく、プラス的な意味合いの言葉より、暗くてマイナス的な意味合いの言葉のほうが断トツ多いのですよ。日本人という民族は元来、ネガティブ思考と言うか批判精神旺盛と言うか…。
対外的に見ても、シャイで褒め下手の国民性だともよく言われます。
とにもかくにも、日本語にはプラスの評価を表す言葉が多くありません。
以前作った「ほめ言葉辞典」。
褒め言葉を1枚のプリント(両面)にまとめたものです。今週から、このプリントを用いて、身近な人の良いところ(=長所)を探して文章で簡潔にまとめる学習をしています。
それにしても…!
生徒に学習をさせてみて痛感します。褒めること(人の良いところを見つけること)がみんな本当に下手だなあ、と。身近な人の良いところ(3つ)が思い付かないで、途方に暮れている生徒がほとんどなのです。
他人も自分自身も、悪いところはすぐに目につきます。批判言葉を言い出すと止まらなくなる人もいます。
だけどそれは見方ひとつ。
悪い点は「色」が濃いので目立つだけなのです。人間は本当は長所のほうがずっと多いのに、数少ない短所にばかり敢えて注目しがちなのだと思います。
周りの人たちの「良いところ」を発見したり、目を向けたりできるように子どものうちから練習をして欲しい。それがこの「良いところ探し作文」学習のねらいです。
「減点法」ではなく「加点法」で、他者や自分を見つめられる人は必ず幸せになれる。私はそう信じています。