『語彙力こそが教養である』
明治大学教授の齋藤孝先生の本です。
先生はこう述べています。
「語彙が豊かになれば、見える世界が変わる。」
「語彙とは教養そのもの。その教養は会話の表現力や説明力に直結し、一瞬にして自分の知的レベルを映し出す。」
本著では、語彙力の重要性を説き、どうしたら語彙力を増やせるかを具体的に示しています。
例えば、普段自分が多用しがちな言葉を見つけ出し、その言葉をNGワードに設定する方法。口癖になっている言葉を自覚した上で、その言葉を使わないようにするのです。使いそうになったら敢えて他の言葉に言い換えるという訓練です。
「すごい」という言葉が口癖で、普段の会話で多用している人の例を挙げますね。
友人と入店したSTARBUCKSで目に留まった案内ボード。
「ねえ、これ見て。スゴくない?」と、いつもの自分なら言いたいところですが、「すごい」を封印して違う表現をする努力をします。例えば、
「このボード、緻密に描きこまれていて素敵じゃない?」などと言ってみるのです。
「すごい」という言葉は便利なようで、曖昧で具体性に欠けます。「~すごい!」「~すごいね!」と連発するのは話の内容を薄っぺらくしてしまう恐れすらあります。
子どもの作文も同じです。
語彙力が乏しくて、「楽しかった」「おもしろかった」などの単純語彙ばかりを多用すると紋切り型のつまらない、そして具体性に欠ける作文になってしまいます。
では、「楽しかった」「おもしろかった」に代わる言葉や表現は何があるのか。それはその子の語彙力や感性、観察力などにかかってきます。そしてそれらを様々な方法でトレーニングしているのが私の経営する「国語専門塾みがく」です。
齋藤先生の書籍はほとんど目を通していますが、いつ読んでも発見や気付きが多くて刺激になります。
みがくでも活用できる事柄が沢山あるので、今後もどんどん取り入れていく予定です。