今回から数回にわたって、「情報をありのまま、正確に聞き取ることができる力」をつけるための考え方や練習法をご紹介していきます。
「話を聞く」という行為について考える際、最初に自覚しておいて欲しいことがあります。
それは、「相手の話を聞く時、人は自分自身と対話しながら聞いている」という事実です。
例えば、あなたが友人からこんな話をされたとします。
友人「うちの娘、毎晩遅くまで起きているのよ~。早く寝なさいっていつも言ってるんだけど聞かないの。そもそも夕食を食べるのが…(略)」
その話を聞いている最中、あなたは次のように考えます。
「私の子供の頃って何時に寝てたかな?」
「あたし、昨日何時に寝たっけ?」
「この人、子供の話をすると長いんだよね~」
あなたにその時、何か心配事や懸案事項がある時には、
「は~っ…。仕事どうしようかなぁ」
「いつあれを区役所に持って行けるかな?」
なんて、話題とは全く関係ないことを考えちゃったりします(笑)。
あなたはどうですか?
思い当たる方、多いのではないでしょうか?
でも安心してください。
大抵の人は同じです。
話を聴く時、人はまず「主観※というフィルターを通してから相手の話を理解しようとする(※=自分の意見や考え・価値観など)ものです。
「自分はそうは思わないな」
「へぇ~、そうなんだぁ」
…共感や疑問、感心や気づきなど。
自分の意識にくぐらせながら話題になっている事柄を聴く、ということを無意識かつ瞬時に行なっています。これは「文章を読む」時も同じです。
それも度が過ぎると、相手の話の要点を聴き逃したり自分勝手な聞き違いをしたりするので要注意。
子供で、「話もしっかりできるし理解力もある。それなのに国語の問題となるとてんでダメ」というタイプは、これが理由の1つになっていたりします。
そこで、話を聴く時のポイントとなる考え方をまとめると次の通りです。
相手の考えは相手の考え。自分の考えではない!
話を聴く時は、なるべく自分の主観をくぐらせずに、相手の話に集中しよう!
「話す」や「書く」が「発信的な行為」なら、「聴く」や「読む」は「受信的な行為」です。
ただ、誤解して欲しくないのは、受信と「受け身」は違うということ!
人の話を右の耳から左の耳に聞き流す…という聞き方は確かに「受け身的」でしょう。
でも皆さんに私がお伝えしていきたいのは、そんな聞き方ではありません。
●相手の話を主観をなるべく入れずに聴く。
●集中して聴く。
●相手の立場になって聴く。
…このような聴き方は、決して「受身的」ではありません。
「積極的に相手の話を聴こう!」というのは、とても「能動的」な行為なのです。
そしてそれは日々の練習が必要です
機会があれば、また「聴く力」について書いてみたいと思います!