塾長ブログ

聴き上手になろう。

※今回の記事は、4年前に掲載したのを編集したものです。

「聴き上手」は例外なく、人に愛されます。

コミュニケーションの主役は「話す」こと。そう考えられがちですが、実は違います。

人の話をしっかり「聴く」ことこそ、コミュニケーションの核なのです。


「話す」ためには、しっかり相手の話を聴かなければなりません。

話をまるで聴かないで、自分の意見や考えばかり話しても人間関係は円滑にいきませんよね。


話し上手は聴き上手の素質があるとは限りませんが(話し上手≠聴き上手)、

聴き上手は話し上手の素質が大いにある(話し上手≒聴き上手)と私は考えています。

つまり、聴く力を上げれば、話す力も身に付きやすいということです。


さて、「聴く力」をアップさせるためのポイントはいくつかありますが、今日はそのうちの1つをご紹介します。


●「事実」と「意見・感想」を区別して聴くこと!

人の話の内容を、

「事実を言っている部分(客観)」と

「話し手の意見や感想を言っている部分(主観)」に大別します。

どの部分が事実で、どこからが話し手の主観なのかを区別して聴くと、話の内容が整理されます。


例えば、友人のAさんが次のように言ったとします。

昨日ね、札幌ドームへ嵐のコンサートに行ってきたの。すごく盛り上がったよ~。熱気で暑かったのか、会場の暖房の設定が変だったのか、異常に暑かったわ。…いや~、楽しかった!来年の6月、また札幌で嵐のコンサートがあるから、今度一緒に行かない?」


Aさんの話の内容を「事実」と「意見・感想(主観)」に分けてみますね。

☆事実

・昨日、札幌ドームで嵐のコンサートがあった。

・Aさんはそのコンサートに行った。

来年の6月に札幌で嵐のコンサートがある。


☆Aさんの意見・感想(主観)

・嵐のコンサートはすごく盛り上がった。

・会場が異常に暑かった。

・コンサートは楽しかった。

・来年のコンサートに行かないかとあなたを誘っている。


上記をなるべく正確におさえることがポイントです。

これを正確に把握しないと、内容の理解が不十分なのに加えて、第三者に間違えた情報を伝えかねません。

例えばこんなふうに…。

「昨日、嵐のコンサートが札幌ドームであったんだって。盛り上がったらしいけど、会場の暖房の設定がおかしくて、すごく暑かったんだって。」


…「暖房の設定がおかしかった」のかどうかは事実ではありませんよね?話し手のAさん自身も暑かった理由がよくわかっていないようでした。それなのに、それを「事実」として聴きとめ、第三者に伝えてしまっています。

実はこういうことが日常生活でよくあります。


話を聴く時には「事実」と「主観」を区別して聴く。

これは自分が「話す」ときにも使えます。

事実と主観をごちゃまぜにして話すと、聴き手が混乱します。


まずは、事実を伝える。

そして、それに対する主観を言う。

話す時にそれを頑張って意識してみてください。

すっきりと整理された話し方になるのはもちろん、聴き手に誤解されないで済みます。


お母さんがお子さんに話すときには、特に意識するとよいでしょう。

子どもは、「事実」と「主観」の区別が曖昧になりがちです。

お母さんの話の内容が、「事実」と「主観」が入り混じった内容だと、全てが「事実」だと思ってしまいます。


逆に、「うちの子の話はいつも支離滅裂なのよ…。」

そんな悩みを抱えているお母さん、多いと思います。

そんな方はお子さんの話をよーく聴いてみてください。

きっと、「事実」と「主観」が見事にシャッフルされてごちゃごちゃだと思います(笑)。


「まずは、あったことだけ話してごらん」

そう言って事実だけを話してもらい、

「ふ~ん、○○(お子さんの名前)はどう思った?」

と、次に感想を聴きます。

最初はうまくいかないかもしれませんが、何度も繰り返し練習することが大事です。

聴き上手は得することばかり。

訓練する価値が十分にありますよ。



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