塾長ブログ

とんでもありません。

身近で使われている誤用の言葉として、
「とんでもありません」
「とんでもございません」があります。

「とんでもない」の品詞は形容詞であり、「とんでもない」で一語です。「とんでも」と「ない」が切り離せるなら、「ない」を丁寧に「ありません」「ございません」と言い換えることが可能ですが、それは出来ない単語なのです。

同じように語尾が「-ない」の形容詞を例に挙げるとわかりやすいかもしれません。
「切ない」「情けない」「心もとない」「頼りない」「とりとめない」「とめどない」…

これらも全て「ない」を前の部分と切り離すことができない言葉です。
「切ない」を「切ありません」とか、「切ございません」とは言いませんよね。他も同じです。

「とんでもない」の「ない」は、「とんでもない」で1つの言葉。この語尾を(活用変化とは別に)他のものに変えることはできません。よって、「とんでもありません」という表現は、「走る」を「走む」と言っているのと同じなのです。奇妙ですよね(笑)。

「とんでもない」を丁寧に言いたい時には普通、次のようにします。
「とんでもないことです」
「とんでもないことでございます」

一般的に使われるのは前者でしょうね。
ちなみに、形容詞の終止形(-い)+です
という表現も文法上、正しくはありません(くだけた文でなら使ってもOKですが)。

なので、「とんでもないです」もあまり美しい言葉ではありませんが、個人的には「とんでもありません」や「とんでもございません」よりは大きく間違えてはいない気がします。

私は「とんでもないことです」は発音しにくいのでいつも次のように使っています。
「とんでもない!どうか気になさらないでください。」
「とんでもない!お気遣い、ありがとうございます。」
「とんでもない」の後に敬体やお礼の言葉を添えてフォローしていますね。
そもそも本当に改まった場ではあまり使わない言葉なので、それで事足りる気がします。


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